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ソルティー

塩畑 貴志(ソルティー)ともうします。

中学の頃、完全に記憶喪失になり、普通のレールに乗ることが夢に

情報処理を学んだ後、プログラマーとして入社し、その後、笠間市ICT支援員としてICT技術を市内の先生たちに教えました。

学校を支援していく中で、教員の負担が増え続けている現状を知り、「教員の負担を減らし、子供たちを見る時間を増やしたい」という想いで教員支援ネットワークT-KNITを立ち上げました。

現在はコミュニティスクールのサポートをメインで行い、学校の先生を支えたいと思う人を増やすため、講演活動や、勉強会に力を入れています。

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「学び合い」でスキルのギャップを埋める

子供たちがiPadを使うICT教育最前線

ーICTの授業をするには、やはりタブレットが全体にないと難しいですか?

そうですね、タブレットがきっかけにはなりました。

今までの発表って、例えば6年生が原稿みないで発表しなさいと言われたら、全部の文章を頭に入れて、機械のようにただ喋るだけのものだったんですね。

それだとやっぱり覚えられないというハードルもあって。

 

それがプレゼン資料みたいに一言でも文字を入れて見ながら喋ると、全部暗記しなくても自分が作った資料なので喋れちゃう。

そういうのがあって、いままでの丸暗記してのものよりは、タブレットを使ったほうが余裕のある授業になったなと言う感じです。

今まではキツキツだったんですよね。

ー子供は機械を使うと喜ぶという傾向がありますが、逆に機械が苦手な子っていますか?

苦手な子もいます。

一番は家にパソコンがあるかどうかで、キーボードが使えるか使えないかで分かれますね。

 

あとはいい意味で家でスマホを使っていない子は、学校でも使い方のイメージが湧かない。

その逆もあって、家でたくさんスマホを使っているような子は、授業で使うということに対して自分はこれだけ使えるんだというテクニック面で誤魔化そうとしてきたりします(笑)。

でも、機械が苦手な子は、苦手なりに写真一枚で話をしようとか自分なりに考えて取り組んでいます。

スキルのギャップはありますね。

ーそのギャップを埋めるときはどうやっていますか?

そうですね、授業中にはなるべくでないようにというか、出さないようにしてます。

一番差が出るのはキーボード入力で、小学生の平均が一分間で5.9文字。

10秒で一文字打てるか打てないかなんですね。

それを授業中にやっていたらそれだけで終わっちゃう(笑)。だから、紙にまとめたものをデータで取り込んで画像として保存するとか、基本はノートベースにしています。

 

学年に応じてどこまで求めるかというのは難しいんですが、なるべくキーボードの打ち方や画像加工のやり方などの技術的なことはいれないようにしてます。

ただ、その中で機械が得意な子が、苦手な子のフォローにまわるとか、そういう関わりは持てるようにしています。

ー確か古河でありましたよね、マイスター制度。

[aside type=”normal”]マイスター制度とは?

ICT教育を推進するために導入された制度で、情報機器に慣れている子供たちが、情報機器に疎い子供たちや、パソコンが苦手な先生に教える制度。

認定証を持つ子供たちは、低学年に休み時間に教えたりできる。[/aside]

今年はもう全員使えちゃうのでそんなにやっていないんですが、去年の導入の時期に6年生はタブレットは使えちゃうだろうと。

低学年はどうするか?使い方はどうするか?先生たちにどう教えるか?というのが壁でした。

そこで自分のクラスの子を連れて全部マンツーマンで他の学級に教えに行きました。

そうすると、6年生は教えることでまた覚えて、ここが難しいんだとか、自分もわからなかったところとかわかってきて。

 

低学年の子から見たら「こんなに簡単に使えるんだ!」ということと、わからなかったら6年生に聞けばいいんだという繋がりができたんです。

全部自分一人に集中していた質問が子供にも分散していったので、負担はかなり減りました。

それで導入が一気に進んだ感じです。

ーそれいいですね。そのアイディアは薄井先生が?

そうですね。自分の負担を全部他に分散するという(笑)。

教育委員会との連携,教師間での「学び合い」が良い成果につながる

iPadを大量に配布することは難しい

ー古河はICTが進んでいますが、そもそもそんなにタブレット配れないよという市町村って多いじゃないですか。そういった、ICT導入で難しい点ってなんですか?

まずは機材選びをどうするか。アンドロイドなのかiOSなのかとか。

古河はもう上の段階で決めた状態で導入してくれて、研修も充実していたのでやりやすかったと思います。
※薄井先生が勤務している上大野小学校ではiPadが導入されています

あとはデータの保存方法をどうするか、個人情報をどうするかとかのセキュリティ面ですね。

通信の速度を保障できるのか、故障したらどうするのかとか。

それらを教育委員会が全て整備してくれていたので…。

 

エバンジェリストの指導科に古河専用のヘルプデスクのようなものがあったんです。

事前にトラブルを予想して解決策がもう用意されていましたね。それがなかったら大変だったと思います。

ー教育委員会が先にICT導入をしっかり考えないと、現場でできないということですね。

そうですね。

充電端末はあるけれど個別に充電できないとか、まだまだトラブルはたくさんあるんですけどね。

 

学校では保管庫があるんですが、持ち帰るにはもう一本充電ケーブルが必要なので持ち帰りができないんです。

各家庭に必ずiPhoneがあるわけではないので、そうすると純正品を買うのか安価な粗悪品買うのかによっても予算が大きく変動しますし。

粗悪品買ったら何かしら不具合が出てくるだろうし、かといって純正品は値段が高くて同じ値段で安物が6本くらい買えちゃいますよね。

予算をケチりすぎないのも大切だし、予算も守らないと行けないという線引が難しいです。

ーICTって、苦手な先生多いですか?

そうですね、多いですね。

ーそういった先生は、エバンジェリストの目線でどうしたらICTを使ってくれると思いますか?

んー、最近考え方を変えまして。

最初は、エバンジェリストが研修で「こういった時はこういった使い方でこういった授業をやるんですよ」というのを教わるんですよ。

基本的な機能を一つずつ教えてもらって、エバンジェリストだから吸収は早いんですね。

それをいざ持ち帰って他の先生に教えるとまず「こういった時」が想像できない。

 

そもそも機械がわからないので、

「アプリってなんなのか?」、「タップってなんなんだ?」っていうところからスタートするので本当に最初は苦労しました。

 

先程話しにあったマイスターも使って、こうやるんですよというところから始まる。

そうすると講義形式になってしまうんですよね。

3つ目やったら最初の一つ目が忘れられちゃう(笑)。

そうするとまた一つ目に戻るという繰り返しで、お互い苦痛だったと思います。

 

受け手側の先生からしたら、何を言われているのかわからない。

こちらからしたら、一回やったことをなんで覚えられないのかと。

それでお互いギスギスしてしまったところもあったんですね。

それから少しやり方を変えてみて、もう授業と同じ流れにしてみたんです。

ー授業と同じ流れ、ですか。

体験型学習タイプに

もう「今日はこれをやります!」と。

ちょうど先日やった研修なんですが、「ことわざのビデオを作ってみましょう」というテーマで。

 

ことわざは皆知っているので、「どれかお題を選んでもらって、ことわざのおもしろ図鑑って4コママンガ風になっているものを動画風に作ってみましょう」と。

教材研究の一環にもなるし、今シンキングツール使っているのでそれを使ってどういう流れで撮影していくのがいいのかという話し合いにもなる。

「シンキングツールってこうやって使うのか」という研修にもなりますよね。

 

あとは「タブレットで辞書のように意味を調べることもできますよ」という使い方の練習もできるし、最後はビデオにしたので、ビデオの撮影方法と動画の編集方法まで全部セットで研修することができる。

なおかつ、そこそこ楽しいので皆夢中になって話し合いながらやってくれます。

 

「楽しかったね」で終われるんですが

「実は研修の内容として動画撮影と動画編集と先生たちがお互いに話し合っていた状態がアクティブラーニングですよ」と紹介すると「あぁ、こういうことか!」と納得できる。

 

最近は体験型研修の形に切り替えています。

グループにして、一人そこに若手が入ればその先生が主導で教えてくれたりしますし。

授業の中で使い方の練習をする

あとはうちの学校で今、子供のプレゼン力を育てるということに力を入れているのですが、それにタブレットが有効だろうと。

その研修も「こうやってプレゼンでタブレットを使うんですよ」じゃなくて

「先生たちの夏休みの思い出を職員研修の度に3人ずつスピーチしていってもらいますので夏休み中に準備しておいてくださいね」と言う形にしてみました。

 

出勤した時にゆっくり編集もできるし、構成もできるし、何より自分で資料として撮ってきた写真って思い入れがあるんですよね。それをどうしてもiPadに入れたいと。

 

「じゃあ、それはどうやるんだ?」という練習になります。

今までは「こうやるんですよ」という伝達だけだったので、受け手側の先生からすると必要性がなかったんです。

それが自分の写真だと、もう入れないとスピーチやらない!くらいの必死さが出てきて(笑)。

ーなるほど、自分ごとにすることが大切なんですね

「二枚目も入れましょうか?」というと「いや、一人でできそうな気がする!自分で選びたいから!」といって意欲的に取り組むんです。

「あぁ、アクティブラーニングだ」と。

 

そしてスピーチ自体も楽しくなってくるんですよ。

研修が面白い形になってきて、やり方を変えてよかったなと感じました。

女性のやりたい気持ちを周囲が妨げないのがコツ

ドローンを楽しそうに飛ばしている女性

ーICTって女性が少ない気がするのですが、どうでしょうか?学校側の視点から何か見えるものがありますか?

女性を過保護にして、女性の進出を妨げている?

個人的な意見だと、古河って意外に女性の先生が頑張ってるんですよ。

前に出てくる先生のほとんどが女性で、男性教員はあまり出てこないですね。

「発表できる人いますか?」って質問しても「うーん」て黙ってしまったりとか。

 

機械関係や力関係の仕事が結構回ってきますし、更に若いと「研究授業やっとけ」とふられたり、否が応でも経験値が高まっていくと感じているようですね。

女性で若い先生がいると「こっちでやっとくからいいよ」とか「薄井にやらせればいいよ」とか(笑)。

そういうのがたまにあるんですよね。

こちらが力を入れようと思って誘っても「女性にやらせるのは可哀想だからいいよ」って守ってしまう人もいるので、女性教諭本人がやりたいと思っていても周りで止めてしまうケースもあるかもしれないです。

スキルアップの部分でも言いづらいところもあるんですよ。

「こうするといいよ」なんてアドバイスするとかえって負担を増やしてしまったりするんです。

 

例えばテストが上手く行かなかったら

「一人ずつノートを見て一言ずつやっていってみたら?」とか。

確かに大変なので、そう言うのも心苦しいところもあるんですけど、本人の為を思ったらそれも必要かなと…

 

でもそれを「いいよ、そこまでやらなくて」と言ってしまうと、

今の負担は減るけれども、長い経験値でみたら力が伸びなくなってしまう。

もしくは変な風に取られて「あぁ、こんなんでいいんだ」って思われていたりとか。

ーなるほど、誰かが止めてしまうと。

女性の世界にICTを入れようとすると、せっかく「やります!」といった方が辛い立場になってしまったり、普段からタブレットを使っているグループだといいんですが、使っていないグループだと大変になるのでもういっそのこと導入しない方法もアリだと思います。

ーそうなんですね。それだとICTの女性人口増えないですね。

そうですね。

そこがちょっと難しいですね。

ーICTっていろんなトラブルもあるし、そのサポートは指導科だと思うんですが、例えば「こういった授業がやりたいんだけどな」って思ったときにはどこに相談していますか?

うちは一人若手がいるのでその方に投げかけてみたり、あとはエバンジェリストですね。

指導課長は全国飛び回っていろんな事例を知っているので、更にいろんな機材を持ち込めるんですよね。
※2017年現在、指導課長は交代されています。

あとうちの校長・教頭がすごく理解のある方なので、聞くとGOサインは出してくれると。

 

究極はFacebookに書き込んでみたり、それも一つの手ですかね。

とにかく、思いついたことは小さいことでもいいから何かしら発言してみることを普段からやっておくと、意外と子供から返ってくるんです。

YouTubeでこんなことをやっていたとか(笑)。

それをやってみたいとか出てくるので、まず呟いてみるといいと思います。

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