プログラミング教育を小学校で学ばせる必要性について

なぜ子供たちにプログラミング教育を学ばせるのか?
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塩畑 貴志
1986年、茨城県笠間市生まれ。 情報処理を学んだ後、プログラマーとして入社し、その後、笠間市ICT支援員としてICT技術を市内の先生たちに教えました。 学校を支援していく中で、教員の負担が増え続けている現状を知り、「教員の負担を減らし、子供たちを見る時間を増やしたい」という想いで教員支援ネットワークT-KNITを立ち上げました。 現在はまちあるきプログラミングをメインに、誰でもどこでもいつでもできるプログラミング授業を学校の先生に使ってもらおうと奮闘しています。

文部科学省からのお達しがあり、2020年には小学校でプログラミング教育が必修化になりました。

小学校や、中学校ではプログラミング教育では何を教えたら良いのだろうか…。どうやって教えていったら良いのだろうか……。

そんな声もよく届くようになりました。

 

とある小学校の先生にプログラミング教育についてどのように教えていくのか何か具体的な対策はしているのかを聞いてみたところ

「私たちは何もやっていません。どうやって教えたら良いか分からないし、第一プログラミング教育がなぜ必要なのか分かっていない」

と声を荒げていました。

 

ここで私が一番伝えなきゃいけないなと思ったのはプログラミング教育がなぜ必要になるのかという点です。

プログラミング教育について

プログラミング教育を教員の皆さんは非常に難しく捉えています。その主な原因がこんな点でした。

  • プログラム言語を小学校から学ばせる意味があるのか?
  • プログラミングなんて習っていないし、教えられるとは到底思えない!
  • パソコンですらもうまく使いこなせないのに、教えられない!

 

私からすれば非常に難しく捉え過ぎだと思っています。

なぜかというとプログラミング教育=プログラム言語を教えることではないからです。

プログラミングはプログラム言語を教えることではない

プログラミング教育:フローチャートを使う

プログラミングはプログラム言語を扱うことではありません。

勘違いしてはいけないポイント:コーディング

プログラム言語を使ってプログラムを書くこと。これはコーディングといいます。

 

プログラミングはあくまでも

  • 何が悪いのか
  • どんな風に動いているのか
  • なぜこうなるのか?
  • どうすれば自分の思い通りに(もしくは良い方向に)動いてくれるのか

このように思考を巡らせて、発展・改善するための手法なのです。

 

だからこそ、この一連の流れをちゃんと図式化して表現できることのほうが重要です。

なので、フローチャートがよくプログラミング教育では使われます。

フローチャートは思考を巡らせるのにピッタリなのです。

 

プログラム言語は教えなくていい

プログラミング教育:プログラム言語は教えなくて良い

断言しても良いですが、プログラム言語は教えなくて良いです。

特に小学校では必要ありません。

 

教員の皆さんにはここが本当に負担の原因になっていると思います。

もう一度言いますが、プログラム言語は教えなくて大丈夫です。

 

なぜ大丈夫かというと、

これから先の世の中でも、全員がプログラマーになったり、ロボットに携わる人ばかりではないからです。

プログラム言語なんてこれから生きる上での手段の一つであって、ほとんどの人は全く使わないからです。

 

プログラム言語は興味ない子は本当に興味ないし、面白いと思う子は本当に面白いと思う玄人好みの分野です。

ロボットだって同じです。大多数の女の子はロボットにあまり興味を示してくれません。

 

プログラミング教育=次世代リーダー育成

じゃあ、なぜ文部科学省はこれほどまでプログラミング教育を推しているかというと……

自分で物事を考えられるリーダーを作るためです

 

私はプログラミング教育とあえて表現していますが、この授業は「次世代リーダー育成」だと思っています。

今までは学校の先生の言われた通りにして、テストで100点をとって……。それが成績優秀な子でした。

 

でも、これからの社会は予測不可能なことばかりが起こりうる。

だから、自分で考え、自分で答えを出して、実行していくタイプが今後は成績優秀になります。

 

課題を発見し、改善する手法としてプログラミングを使う

東日本大震災でも騒がれましたが、今は予測不可能な事態が起こりやすくなっています。

さらに、2045年問題もあり、今ある単調な仕事はほとんどロボットに変わってしまうと言われています。

技術的特異点(ぎじゅつてきとくいてん、英語:Technological Singularity)、またはシンギュラリティSingularity)とは、人工知能が人間の能力を超えることで起こる出来事[1][2]。人類が人工知能と融合し、人類の進化が特異点(成長曲線が無限大になる点)に到達すること

参照:Wikipedia

このような予測不可能な事態に対応するには、社会的価値を自分で創造し、新たな課題の発見、改善を自分自ら行っていくことが重要になっていくのです。

 

この自ら課題を発見し、新しい価値を創造し、改善を行っていく……。これを教えるのにプログラミングというものがピッタリなのかと思います。

近年のグローバル化や急速な情報化の進展により、子供たちを取り巻く環境が大きく変化しており、子供たち一人一人が自らの可能性を最大限に発揮するためには、主体的に考え、他者と協働しながら新たな価値の創造に挑むとともに、新たな問題の発見・解決に取り組むことが求められています。
また、日常生活における営みを、ICTを通じて行うことが当たり前になっている現代社会において、子供たちにはICTを受け身で捉えるのではなく、手段として積極的に活用していくことが求められています。

参照:文部科学省(文科省)教育の情報化加速化プラン~ICTを活用した「次世代の学校・地域」の創生~

文部科学省ではICTの推進こそしているものの、プログラム言語を教えたい、ロボットを使えるようにしたいとは書いていません。
※もちろん、それらの狙いもゼロではないのでしょうが…。メインではなさそうです。

 

プログラミング教育で大切なことは先生自らがチャレンジすること

プログラミング教育を教える上で大切なのは体験すること

プログラミング教育はリーダー育成です。

教える時に大切なことは、体験しなければ教えたとしても心に響かなくなってしまいます。

 

だから、学校の先生(教員)がリーダーとなって、いろんな体験を率先して行い、見本になることが重要なのではないかと思います。

 

私たちのまちあるきプログラミングは今回お話したプログラミング教育の精神にのっとって作っています。

だから情報機器を使わなくても良い、まちを歩いて気付きを得るのです。

 

まちあるきプログラミングには親子や、教員だけでなく、塾の先生も参加してくれています。ありがとうございます。

こんな風にたくさんの人がチャレンジ精神にあふれ、これからの社会に対応しようとする姿こそがプログラミング教育で本当に教えたいことなのではないか……そう思えてなりません。

 

まとめ

  • プログラミング教育=プログラム言語を教えることではない
  • フローチャートは思考を巡らせるのにピッタリ
  • プログラム言語は教えなくて大丈夫(小学校では特に)
  • プログラミング教育は「次世代リーダー教育」だ!
  • 教員は子供たちの見本になってほしい

今回のまとめはそんなところでしょうか。

 

次回からも自分の想いをどんどん伝えていこうと思います。また読んでくださいね。

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塩畑 貴志

1986年、茨城県笠間市生まれ。 情報処理を学んだ後、プログラマーとして入社し、その後、笠間市ICT支援員としてICT技術を市内の先生たちに教えました。 学校を支援していく中で、教員の負担が増え続けている現状を知り、「教員の負担を減らし、子供たちを見る時間を増やしたい」という想いで教員支援ネットワークT-KNITを立ち上げました。 現在はまちあるきプログラミングをメインに、誰でもどこでもいつでもできるプログラミング授業を学校の先生に使ってもらおうと奮闘しています。